2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790548
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河野 隆志 Keio University, 医学部, 共同研究員 (60327509)
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Keywords | 大動脈瘤 / 炎症性サイトカイン / 自然免疫 |
Research Abstract |
マウス大動脈瘤(塩化カルシウム塗布)モデル群及び生理食塩水塗布を行うshamモデル群をそれぞれ作成した。術後4週に腎動脈分岐下の腹部大動脈壁を摘出し、high mobility group box 1 protein(HMGB1)の発現の定量解析をwestern blotting法を用いて、MMP-2及び-9の活性をZymographyで検討したところ、HMGB1発現とMMP-2/-9活性の間には有意な正の相関関係があることが確認された。またHMGB1発現は動脈瘤径との間にも相関を示した。次にHMGB1と大動脈瘤発生及び伸展の関連を検討するために抗HMGB1中和抗体を用いた。24時間生存したマウス大動脈瘤モデルに、抗HMGB1中和抗体(200ug/日、3日毎、4週間;n=10)もしくはコントロール抗体(200ug/日、3日毎、4週間;n=10)を投与したところ中和抗体投与により有意に動脈瘤径が縮小していることが確認された。また病理学評価でも、中膜層の菲薄化と弾性線維の破壊などの動脈瘤の特徴的変化が、HMGB1中和抗体投与により軽減されることが明らかにされた。HMGB1中和抗体投与によりMMP-2及び-9活性が著明に抑制され、マクロファージ浸潤も軽減していることを明らかにした。定量的RT-PCR法により確認したところ、tumor necrosis factor-α(TNF-α)、monocyte chemoattract protein-1(MCP-1)、inter-cellular adhesion molecule 1(ICAM1)、CD68の発現もHMGB1中和抗体投与により抑制されることを明らかにした。
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