2009 Fiscal Year Annual Research Report
誘導多様性幹細胞由来の心筋細胞分化誘導法の確立および心不全治療への応用
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20790549
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大野 洋平 Keio University, 医学部, 助教 (80383884)
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Keywords | iPS細胞 / 患者特異的iPS細胞 / iPS細胞由来心筋細胞 / iPS細胞由来心筋の分化誘導効率 / iPS細胞由来心筋の移植効率 |
Research Abstract |
我々は様々なiPS細胞ラインより心筋細胞を分化誘導し、iPS細胞ラインにより心筋分化効率か異なることを解析した。さらにそれらを純化した(未分化細胞や非心筋細胞を除去)後、iPS細胞樹立に用いた導入遺伝子の発現をiPS細胞ライン毎に調べたところ、iPS細胞ラインにより導入遺伝子の発現レベルが異なっており、導入遺伝子の発現が高いままのものは心筋分化効率も悪く、心筋分化に対して抵抗性を示していることが確認された。ただ、導入遺伝子発現の遷延はレトロウイルスなどのゲノムに組み込まれるシステムをiPS細胞樹立の際に利用しているために起こる現象と考えられるため、最近ではアデノウイルス(Stadtfeld M. et al. Science:2008)、プラスミド(Okita K. et al. Science:2008)やトランスポゾン(Woltjen K. et al. Nature:2009)を利用したiPS細胞樹立法も確立されており、今後レトロウイルス以外を利用した方法で樹立されたiPS細胞の心筋分化効率も検討していく予定としている。一方で、腫瘍形成に関しては、どの体細胞(マウス胎仔線維芽細胞、成体しっぽ線維芽細胞、皮膚線維芽細胞、胃上皮細胞、肝細胞など)由来のiPS細胞かということが神経細胞の系では重要と報告されており(Miura K. et al. Nat. Biotechnol:2009)、心筋細胞においても同様の傾向が認められるか、というのを確認する予定としている。
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