2008 Fiscal Year Annual Research Report
心臓副交感神経の正常発生と分布に必須の因子に関する研究
Project/Area Number |
20790550
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
荒井 隆秀 Keio University, 医学部, 助教 (00383894)
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Keywords | 心臓副交感神経 / ChAT-cre / VAChT-cre / LIF / gp130 |
Research Abstract |
本研究の第一段階として心臓副交感神経可視化モデルを作成することは最も重要な課題である。副交感神経特異的マーカーとしてはChAT(choline acetyl transhase)、CHT(choline transporter)、VAChT(vesicular acetvlcholine transporter)などが知られている。我々はまず心臓支配副交感神経や心臓神経節がChATで染色可能であることを確認した。ただし、心房における副交感神経はChATおよびVAChTで染色可能であったが、心室における副交感神経はChATやVAChTでは染色困難であった。心室における副交感神経はCHTにより染色可能であった。そして心室においては副交感神経が心内膜側に優位であることを確認した。まずChATに特異的にCre recombinaseを発現するChAT-creマウスから、cre-loxPシステムによりChAT-LEGFPマウスを樹立し、心臓副交感神経の可視化を行うことを試みた。ChAT-EGFPマウスの心臓を観察すると、副交感神経を確かにトレースしていたが、交感神経もトレースしていることが判明した。ChAT-creマウスは脳において副交感神経をトレースしていることは確認されているが、末梢神経において副交感神経をトレースしているか否かはこれまで確認されていなかった。そのためChAT-EGFPマウスにより心臓において副交感神経を特異的にトレースすることは困難と考えた。続いて、VAChTに特異的にCrerecombinaseを発現するVAChT-creマウスから、cre-loxPシステムによりVAChT-EGFPマウスを樹立し、心臓副交感神経の可視化を行うことを試みた。VAChT-EGFPマウスの心臓を観察すると、副交感神経を確かにトレースしている個体も存在するが、一部の個体においては交感神経もトレースしていることが判明した。現在心臓副交感神経特異的に確実にトレースする系をVAChT-creを用いて樹立中である。
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