2009 Fiscal Year Annual Research Report
核医学検査をもちいたウサギ梗塞心におけるコネキシン発現および除神経領域の観察
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20790555
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
網野 真理 Tokai University, 医学部, 講師 (10407976)
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Keywords | 心室頻拍・心室細動 / コネキシン43 / 心筋核医学検査 / ウサギ心筋梗塞モデル / 交感神経リモデリング / 電気的リモデリング |
Research Abstract |
心筋梗塞、心不全などの病態心では心室頻拍・心室細動(VT/VF)などの致命的な不整脈が高率に発生するが、心筋の形態学的・機能的なリモデリング機構を防ぐことが突然死予防および治療戦略として重視されるようになった。今回我々は心筋核医学(RI)の手法を用いたコネキシン43(Cx43)の定量化を試み、交感神経終末のノルエピネフリン代謝の変化(機能的除神経)とCx43分布異常との関連を電気生理学的に検討する。 平成20~21年度研究計画は、(1)ウサギに閉胸下で心筋梗塞を作成し、治癒期にVT/VFが誘発されるモデルを作成する。(2)心筋核医学検査で左室におけるCx43の局在を評価し、交感神経分布異常との関連性を明らかにする。の二点であった。モデルの作成についてはウサギ右大腿動脈にカニュレを挿入したのち、大動脈弁直上の冠動脈開口部まで進めてマイクロスフェアーを注入し、心内膜領域を中心とした非貫壁性の心筋梗塞を非開胸下に作成した(MI,n=12)。非貫壁性の梗塞を作成する理由は、小梗塞部位を多数形成することでマイクロリエントリーの発生基質を点在させるためである。これらのモデルに対して核医学検査によるCx43局在と除神経領域の評価を行うため、心臓を摘出し剥切スラーサーにて20μmの切片を作成後,まずはARG法よりマウスモノクローナル抗体を用いたヨウ素(^<125>I)標識を施行しSPECT画像収集を施行した。 結果として、マクロ画像でのCx43分布は不鮮明であり、アーチファクトとの鑑別が困難であった。Cx43減少領域を定量するには画像の鮮明化を図る必要があると考え、内部コントロールとして完全なCx43欠損領域を有するモデルを考案した。冠動脈結さつによる貫壁性の梗塞心である。従来のモデルと異なり、マイクロリエントリーの発生基質は大きなコアとなり、除神経領域は左室心筋に限局すると予想されるが、まずはCx43,MIBG画像におけるサブトラクションを行うことを目的とした。現在、貫壁性の梗塞心モデルにおけるSPECT画像収集を施行中である。
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