2010 Fiscal Year Annual Research Report
核医学検査をもちいたウサギ梗塞心におけるコネキシン発現および除神経領域の観察
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20790555
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
網野 真理 東海大学, 医学部, 講師 (10407976)
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Keywords | 心室頻拍・心室細動 / コネキシン43 / 心筋核医学検査 / ウサギ心筋梗塞モデル / 交感神経リモデリング / 電気的リモデリング |
Research Abstract |
研究の目的) ウザギMIモデルにおける心筋核医学の手法を用いたCx43の画像定量化を試み、交感神経終末のノルエピネフリン代謝の変化(機能的除神経)との関連を電気生理学的に検討する。 研究の成果) 左室表面における64誘導電極マッピング実験では、Controlにおける興奮は心室中隔から左室側面に伝導しTATは11±3msであった。ARIsはほぼ均一で、ARIDは21±11msであった。MIでは、TAT 33士6msと有意に延長し、またARIの不均一な変化によりARIDが51±12msまで増加した。心外膜表面の伝導特性(CV)について、縦軸(L)と横軸(T)で興奮伝導の計測をおこなった。MIではControlと比較してCV_LとCV_Tは共に減少した。VT/VF誘発試験では、プログラム刺激にてContorlではVT/VFは誘発されなかったが、MIでは全例でVT/VFが誘発された。 核医学検査では、MIBGにおいて除神経領域は梗塞領域に一致して観察され、交感神経終末のノルエピネフリン代謝減弱が示唆された(機能的除神経)。^<123>I-anti-Cx43 in vitro ARGでは、Cx43の免疫染色結果で得られた梗塞領域の集積低下に加え、心室中隔においても集積が低下していた。中隔のアイソトープ取り込み低下が真にCx43の集積を表すか評価するため、[^<123>I]IgG抗体によるARGを施行した。^<123>I-anti-Cx43 in vitro ARGと^<123>I-anti-IgG in vitro ARGを比較すると、前者は明らかに中隔におけるCx43の集積低下を示すものであることが確認された。心臓の電気伝導系にはCx43のみならずCx分子種の異なる複数のギャップ蛋白が存在する。各種Cxは発現する組織が異なり、洞房結節はCx45,心房筋はCx43,Cx45,Cx40,房室結節はCx45,ヒス束はCx40.プルキンエ線維はCx40,Cx43,心室筋はCx43,Cx45が分布している。心室中隔にはヒス束およびプルキンエ線維が存在し、これらの主流なGJはCx40であることから、今回の検討で示された中隔におけるCx43発現は相対的に減弱した集積低下を反映した可能性がある。^<123>I-anti-Cx43 in vitro ARGはMI動物モデルにおける梗塞領域および周辺のCx43分布ならびに生理的分布の同定に有効な可能性が示唆された。
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