2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790558
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
内藤 由朗 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (10446049)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 内科 / 基礎 |
Research Abstract |
心不全には貧血を高率に合併すると報告され、貧血は心不全の独立した予後規定因子とされる。逆に貧血が心不全の発症・増悪の危険因子になりうることはよく知られており、進行した末期心不全患者における貧血の種類別割合では鉄欠乏性貧血が最も多いと報告される(Nanas JN et al, JACC 2006 ; 48 : 2485-2489)。 そこで、まず心不全と鉄欠乏性貧血の関与・分子機構を検討することが重要と考え、ラット鉄欠乏性貧血モデルにおける心機能の変化を検討した。ラットに鉄欠乏飼料を与えることで、鉄欠乏性貧血は誘導される。このモデルの心臓を、経時的に形態的・機能的に検討し、長期の鉄欠乏性貧血合併心は代償性心肥大から非代償性心不全を呈することを明らかにした。そして、代償性心肥大期から非代償性心不全期にかけて、造血ホルモンであるエリスロポエチンの血中濃度が劇的に変化し、そのエリスロポエチンによる心臓局所のエリスロポエチン受容体を介した細胞内シグナル伝達が鉄欠乏性貧血合併不全心に対し、心保護的に作用していることを明らかにし、エリスロポエチンによる貧血合併の心不全に対する治療の有用性を証明した(Naito Y et al, Am J Physiol Heart and Circ Physiol. 2009 ; 296 : H585-593)。
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Research Products
(2 results)