2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790558
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
内藤 由朗 Hyogo College of Medicine, 医学部, 助教 (10446049)
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Keywords | 循環器・高血圧 / 内科 / 基礎 |
Research Abstract |
心不全には貧血を高率に合併すると報告され、貧血は心不全の独立した予後規定因子である。 逆に貧血が心不全の発症・増悪の危険因子になりうることはよく知られている。よって、心不全における貧血の分子機構を理解することは、心不全患者の予後改善にとって非常に重要と考えられる。 しかし、心不全における貧血の成因・分子機構については解明されていない。 私は、心不全の動物モデルとしてよく知られているダール心不全モデルラットを用い心不全合併貧血の分子機構の研究につとめ、腸管における鉄吸収蛋白の機能異常がその成因の一つであることをつきとめたつまり、心不全においては、鉄摂取量が不足していなくても、鉄の吸収異常があるために貧血が生じると考えられた。これまで、in vivo modelを用いた心不全における貧血の生体内での分子機序を検討した報告は国内外においても認めず、腸管鉄吸収蛋白に関する検討もこれまでに全くない。 腸管における鉄吸収蛋白の機能改善という新たな視点からの分子機構に基づいた心不全合併貧血に対する治療戦略の開発は新規の研究分野であり、得られた結果の重要性は非常に高いと考えられる
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