2009 Fiscal Year Annual Research Report
CCL1遺伝子改変マウス作成による呼吸器感染症の病態研究
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20790563
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
井上 純人 Yamagata University, 医学部, 助教 (70466621)
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Keywords | CCL1 / COPD / 呼吸器感染症 |
Research Abstract |
細菌感染症においては、病原菌自体のvirulenceと共にこれを受けとめる宿主側のバックグラウンドを把握することが重要である。気道感染を契機とした肺炎において、宿主側の要因として細菌に対する宿主側の細胞表面レセプターの発現や、炎症局所に遊走する免疫細胞の動態の重要性が指摘されている。これまでの我々の研究によって、実験的肺気腫マウスにおける呼吸器細菌感染症モデルでは、気腫化肺形成後の肺局所における免疫反応に修飾が起こり、細菌感染後に重篤な予後を引き起こすことが示された。また臨床的知見では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の疫学的調査で、炎症性ケモカインの一つであるChemokine(C-C motif)ligand 1(CCL1)の遺伝子多型(NCBI:rs2282691)が易感染性や予後に大きな影響を及ぼしていることを発見した。すなわちCCL1はCOPD患者の予後に深く関与し、特に感染症における病態形成に大きな役割を演じていることが想定される。我々はCCL1遺伝子改変マウスを作成し、その機能を深く検討することを計画した。 具体的には肺特異的にCCL1を強発現する遺伝子改変マウスを作製する。平成20年度にはCCL1遺伝子を組み込んだプラスミドベクターをマウスへ導入し、遣伝子改変マウスを作製した。平成21年度には遺伝子改変マウスの表現型の確認を行い、目的遺伝子が遺伝子改変マウスに発現していることを確認した。更に肺特異的に発現する遺伝子を導入したため、肺組織におけるCCL1遺伝子の発現が亢進していることを確認した。以上の解析によりCCL1が肺特異的に発現する遺伝子改変マウスが作製されたことが確認された。今後は遺伝子改変マウスの個体数を確保した上で細菌感染症や肺気腫の誘導による病態の検討を行う計画である。
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Research Products
(3 results)