2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト肺癌の発生・進展プロセスに関わる新たなリネジ特異的生存シグナル制御機構の解明
Project/Area Number |
20790566
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 知也 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 助教 (70452191)
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Keywords | 肺癌 / マスター調節因子 / リネジ特異的生存シグナル / 癌化シグナル / 発癌 |
Research Abstract |
末梢肺の分化に関与するTTF-1(Thyroid transcription factor-1)遺伝子は、マスター調節因子として細胞分化に寄与する一方で、その発現持続が肺腺癌の生存に必須であり、発癌と進展に大きく関与する。このマスター調節因子TTF-1が制御する分子メカニズムを解明することが、本研究の目的である。そこで、我々は、TTF-1特異的な発癌プロセスを明らかにするために、TTF-1遺伝子を導入した正常末梢気道上皮細胞株のマイクロアレイ解析を行い、TTF-1により調節される遺伝子群(以下、Downstream of TTF-1(DOT)と称す)を同定した。本年度のDOT遺伝子群の研究は、とくにDOT-1遺伝子を中心に生化学的・分子生物学的な解析によって行い、肺腺癌におけるTTF-1による直接的なDOT-1遺伝子の転写活性化機構の存在を明らかにした。また、DOT-1分子の下流シグナルについても細胞生物学的手法を用いて詳細な解析を行いほぼ特定し、現在最終的な検証を進めつつある。 本年度の研究は順調に推移したので、今後さらにTTF-1遺伝子の下流でDOT-1遺伝子が果たしている細胞生物学的な役割について、とくに肺腺癌におけるTTF-1のリネッジ特異的な発癌プロセスへの関与とのかかわりに焦点を絞って、肺腺癌の癌化シグナルの本態解明へ向けた研究を展開したいと考えている。また、in vivoにおけるこの癌化シグナルの果たす役割の解明へとつなげることによって、より明確に肺腺癌における重要性が理解できるものと思われる。最終的には、肺腺癌細胞を標的としたより安全で特異性の高い癌治療法の開発への発展が期待される。
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Research Products
(1 results)