2009 Fiscal Year Annual Research Report
中皮腫の増殖に関連する遺伝子の大規模機能スクリーニング
Project/Area Number |
20790582
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
須藤 仁美 National Institute of Radiological Sciences, 分子イメージング研究センター, 准技術員 (10415416)
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Keywords | 中皮腫 / siRNA / 機能スクリーニング |
Research Abstract |
中皮腫は主に胸膜や腹膜に発生する腫瘍で、アスベストのばく露歴が発症に深く関与している。過去のアスベストの使用状況から、今後数十年間に中皮腫患者数が増加すると予測されているが、現在、有効な治療法が確立されておらず、予後は極めて悪い。このことから、新たな治療法・治療薬の開発が切望されている。そこで、中皮腫の新たな治療薬開発のためのターゲット分子の探索を目的として研究を行った。昨年までに、siRNAライブラリーを用いた機能スクリーニングを行い、治療に対する候補遺伝子を同定した。今年度は、候補遺伝子の中から、中皮腫において発現が上昇しているという報告のある遺伝子COPAに着目し、機能解析およびモデルマウスを用いた治療効果の検証を行った。中皮腫由来細胞にsiRNAを導入すると、アポトーシスが誘導され、細胞の生存率が著しく低下することを明らかにした。また、治療効果の検証では、中皮腫細胞を皮下移植したマウスの腫瘍にsiRNAを局所投与したところ、腫瘍の増殖が抑制された。さらに、腫瘍組織の免疫組織染色をおこなった結果、アポトーシスがおこっていた。つまり、標的候補遺伝子の一つであるCOPAのsiRNAは、in vitroおよびin vivoにおいてアポトーシスを誘導し、細胞や腫瘍の増殖を抑制することが明らかになった。このことから、COPAは中皮腫の治療における新たな標的分子であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)