2010 Fiscal Year Annual Research Report
腎不全病態における血管内皮前駆細胞の役割解明と高機能内皮前駆細胞導入の効果
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20790584
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
中川 直樹 旭川医科大学, 医学部, 特任助教 (10451460)
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Keywords | 再生医療 / 腎不全 / プロスタノイド |
Research Abstract |
我々は、『血管内皮前駆細胞(EPC)は腎不全の病態進展に重要な役割を持ち、高機能EPC導入療法は腎不全病態改善に効果がある』という仮説をたて、研究を遂行した。 22年度は、21年度に続き、骨髄選択的プロスタグランジンI2受容体(IP)欠損マウスモデル(=EPC機能低下モデル)では、腎不全の病態が増悪するか否かを、IP欠損マウス由来の骨髄細胞を用いて、骨髄移植マウスを作成し、検証を進めた。フローサイトメトリー解析などから95%以上の骨髄がdonor由来のものに置換していることを確認。腎動脈虚血再灌流モデル、尿管結紮モデル、腎摘出モデルの三系統のなかで、腎動脈虚血再灌流モデルにおいて、血清クレアチニン値をwild骨髄細胞移植群との比較検討したところ、骨髄IP欠損モデルにおいて、血清クレアチニン値が高値を呈する傾向を見出したが、有意差は見出せなかった。今後、虚血条件の検討や、さらに実験動物数を増やすとともに、その形質変化の機能解析実験を行い、さらには尿管結紮モデル、腎摘出モデルにおいても検討を進めていく予定である。骨髄選択的IP欠損・腎不全モデルにおける正常EPC投与の影響、さらには腎不全病態への高機能EPC投与の影響についても検討を進めていく予定である。
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