2009 Fiscal Year Annual Research Report
DM腎症の網羅的遺伝子発現解析:NF-κB、IRBに対する治療法開発
Project/Area Number |
20790592
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
安田 宜成 Nagoya University, 大学院・医学研究科, 寄付講座准教授 (60432259)
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Keywords | 糖尿病性腎 / DNAアレイ / バイオ・インフォマティクス |
Research Abstract |
ヒト腎生検組織をmicro disectionし糸球体部よりmRNAを抽出し、Agilent technology社のWhole Human GenomeオリゴDNAマイクロアレイを一色分析法を用いて、ヒト糖尿病性腎症糸球体部の網羅的遺伝子発現解析を行った。mRNA抽出までの技術は確立できたが、元となる糸球体数が少ないことから、これまでのところ充分な感度は得られていない。 バイオ・インフォマティクスツールの有用性を検証する目的で、急性腎障害動物モデルに関するDNAアレイによる網羅的遺伝子発現データを、各種バイオ・インフォマティクス解析ソフトウェアにより、pathwayレベル、転写調節機構レベルでの解析を行った。さらに3種のAKIモデル動物における4DNAアレイ研究での発現変動を比較して、共通して発現変動する遺伝子群を同定した。発現亢進する39遺伝子、減弱する6遺伝子の群について、腎障害群として糖尿病性腎症13例、腎硬化症15例、また対照群として糸球体基底膜菲薄症6例、微小変化型ネフローゼ4例、生体腎移植7例、腎摘除術における摘出腎組織4例、合計49例のヒト腎生検組織でのDNAアレイ結果において検証した。ヒト腎生検組織においても、腎障害群では発現亢進する39遺伝子中24遺伝子(61.5%)、また減弱する6遺伝子中2遺伝子(33.3%)において同様な発現変動を確認し、これらの遺伝子発現レベルはCr値や腎生検での腎障害度と相関を認めた。さらにこれら45遺伝子によるclustering解析により、DNのうち進行性腎障害群を軽度の腎障害やコントロール群と鑑別可能であった。
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Research Products
(9 results)