2009 Fiscal Year Annual Research Report
vitamin Dの糸球体上皮細胞への直接作用を介した腎保護作用の検討
Project/Area Number |
20790593
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松井 功 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (60456986)
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Keywords | 糸球体上皮細胞 / vitamin D / vitamin D recetor / レニン |
Research Abstract |
我々は、糸球体上皮細胞障害モデルであるラットpuromycin aminonucleoside腎症(PAN腎症)において、活性型vitamin Dおよびそのanalogueである22-oxacalcitriolが、糸球体上皮細胞保護効果を有する事を明らかにし、論文発表した。糸球体上皮細胞およびその細胞間接着機構であるスリット膜の障害は、慢性腎臓病進行の重大なリスクファクターである尿蛋白の原因となるため、vitamin Dが糸球体上皮細胞を直接的に保護する作用を有することが証明できた意義は大きい。 これまでvitamin Dの腎保護作用は、vitamin Dによるレニン転写抑制に依存すると考えられてきたが、我々はレニン転写制御非依存性の腎保護作用を探索するため、低レニン性高血圧性腎障害モデルであるDahl食塩感受性ラットを用い、vitamin Dの腎保護作用を検討した。Dahl食塩感受性ラットも糸球体上皮細胞障害に起因する腎障害が生じるモデルである。我々は、本ラットに高食塩負荷を行いレニンが抑制された状態において、vitamin Dがレニン転写制御非依存性に腎保護作用を持つことを明らかにした。腎線維化の原因となるコラーゲンの産生をvitamin Dが直接的に抑制する事を示すデータを得ており、新たなvitamin Dの腎保護作用機序を明らかにした。 また糸球体上皮細胞特異的vitamin D receptor (VDR)欠損マウスも作成した。上記ラットの結果から、糸球体上皮細胞VDR欠損マウスは腎障害が進行しやすい状態であると考えられ、腎障害時に同マウスにおいて腎障害が促進されやすい事を示唆するデータを得た。
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Research Products
(4 results)