2008 Fiscal Year Annual Research Report
腎におけるリン酸輸送担体Npt2a依存的な新規ビタミンD代謝調節機構の解明
Project/Area Number |
20790594
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山本 浩範 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (60314861)
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Keywords | 腎臓 / ビタミンD / 代謝酵素 / トランスポーター / 転写因子 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
これまでに我々は、甲状腺ホルモン(T3)投与による血中リン濃度の上昇は、腎ビタミンD合成酵素(Cyp27b1)遺伝子の発現量および血中1, 25(OH)2D濃度を低下さすたが、リン酸輸送担体Npt2a欠損マウス(Npt2a-KO)では、それら作用を示さないことを見出した。これらの結果から、腎近位尿細管においてNpt2a依存的な新規ビタミンD代謝調節機構が存在し、この機構の破綻によりビタミンD代謝異常が引き起こされる可能性が示唆された。本研究では、腎におけるリン酸輸送担体Npt2a依存的な新規ビタミンD代謝調節機構を解明することを試みた。甲状腺ホルモンT3によるCyp27b1発現抑制にはリン利尿因子FGF-23およびPTH非依存的であることを確認し、腎におけるT3の直接的な転写調節が重要であることを見出した。また、Npt2aを介した細胞内へのリン酸の流入がT3依存的なCyp27b1遺伝子プロモーター活性に影響を与えることを見出した。そこで、ルシフェラーゼ法を用いてT3によるCYP27b1遺伝子転写調節の作用機構を検討した結果、T3はプロモーター上のE-box領域に核内受容体TRbeta 1を介して作用することを見出した。興味深いことに、腎近位尿細管細胞においてその領域は活性型ビタミンDによる負の抑制領域(nVDRE)であった。実際、nVDRE-TK-lucリポーターベクターを用いT3がnVDRE-VDIR-TRbeta 1を介して転写抑制作用を発揮することを明らかにした。現在、これら転写因子の活性化へのリン酸の関与を検討している。
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Research Products
(17 results)