2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790596
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小林 千余子 Kumamoto University, 発生医学研究センター, 助教 (20342785)
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Keywords | 発生・再生 / 腎臓 |
Research Abstract |
腎臓は尿管芽の周りに後腎間葉と呼ばれる前駆細胞集団が凝集し、糸球体、近位尿細管、遠位尿細管へと分化していくことで形成される。しかしこの間葉は生後速やかに分化して消失してしまう。この間葉を増幅させ、特定の細胞腫へと分化させることは腎臓再生にむけて大きな意味を持つ。 腎臓前駆細胞の自己増殖法の確立 腎臓前駆細胞のマーカーとして用いたSa111を後腎間葉で発現させ続けることで未分化性の維持及び増殖が出来ないかを検討した。E11.5から腎臓前駆細胞特異的にSa111を強制発現させたが、未分化前駆細胞の数や分化の状態に変化が無かった。腎臓におけるSa111の外来性タンパクの発現量が少ないことが表現型の現れにくい原因の一つかもしれない。現在全身性にSa111を強制発現させることで、Sa111の強制発現マウスの有効性を確認中である。 腎臓前駆細胞集団からの特定細胞系譜への分化誘導法の確立 Notchシグナルを操作することで細胞系譜をコントロールできるかを検討した。NotchのリガンドであるJaggedを発現するフィーダー細胞上で、後腎間葉を培養したが、糸球体および近位尿細管の分化が促進されることはなかった。また、腎臓前駆細胞特異的にNotch2を強制発現させたところ、上皮化が早期におこり、腎臓が小さくなった。このことからNotchシグナルは糸球体や近位尿細管への分化の方向性は指南していないことが明らかとなった。
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