2008 Fiscal Year Annual Research Report
二次性副甲状腺機能亢進症の病態へのグリアルセルミッシング2の関与
Project/Area Number |
20790598
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
溝渕 正英 Showa University, 医学部, 助教 (90465203)
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Keywords | 二次性副甲状腺機能亢進症 / グリアルセルミッシング2 / 副甲状腺細胞 / カルシウム感知受容体 |
Research Abstract |
二次性副甲状腺機能亢進症の進展へのグリアルセルミッシング2(Gcm2)の関与の検討のため、本年度は二次性副甲状線機能亢進症患者由来の副甲状腺細胞を用いて、Gcm2のRNA干渉(ノックダウン)を行い、成熟副甲状腺の機能維持に重要な副甲状腺ホルモン(PTH), ビタミンD受容体(VDR)、ビタミンD1α水酸化酵素(1-OHase)、カルシウム感知受容体(CaR)の各遺伝子の発現変化をリアルタイムPCR法により検討した。ノックダウンはレンチウイルスベクターを用いたベクター法により行った。Gcm2のノックダウンにより副甲状腺細胞CaRの遺伝子発現は47.8±21.1%低下した。さらにウエスタンブロッティング法によりCaRタンパクの発現変化も検討した結果、48.1±4.3%低下していた。Gcm2のノックダウンはPTH、VDR、1-OHaseの遺伝子発現に有意な変化をもたらさなかった。CaR遺伝子の発現変化については、CaR遺伝子のプロモーター2の活性化により転写されるエクソン1Bを含んだ転写産物の発現が抑制されていた。エクソン1Aを含む転写産物の発現量は極めて微量であった。以上の結果から、過形成副甲状腺細胞において、Gcm2はCaRの発現を調節している可能性が示唆された。今後は、Gcm2のCaR遺伝子上の結合部位の同定や、動物実験によるGcm2とCaRの発現変化の経時的変化などの検討を進めて行く予定である。
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