2009 Fiscal Year Annual Research Report
二次性副甲状腺機能亢進症の病態へのグリアルセルミッシング2の関与
Project/Area Number |
20790598
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
溝渕 正英 Showa University, 医学部, 助教 (90465203)
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Keywords | 二次性副甲状腺機能亢進症 / Gcm2 / 副甲状腺細胞 / Ca感知受容体 / ビタミンD受容体 |
Research Abstract |
Glial cells missing-2 (Gcm2)は副甲状腺の発生過程において重要な役割を担う転写因子である。出生後の成熟副甲状腺にもGcm2が発現していることは、Gcm2が副甲状腺機能にも関与していることを示唆しているが、その詳細は明らかにされていない。二次性副甲状腺機能亢進症におけるGcm2の機能の解明を目的に、二次性副甲状腺機能亢進症患者の副甲状腺細胞のGcm2遺伝子をレンチウイルスベクターを用いたベクター法によりノックダウンした際の、副甲状腺機能に深く関与している因子であるCa感知受容体、ビタミンD受容体、PTH、PCNAの各mRNAの発現変化をリアルタイムPCR法により検討した。ノックダウンによりCa感知受容体のmRNAが低下し、タンパクレベルの発現も抑制されることがウェスタンブロッティング法により確認された。ビタミンD受容体、PTH、PCNAのmRNA発現に変化はみられなかった。Ca感知受容体は2つの異なるプロモーター(プロモーター1および2)から各々転写産物が合成されるが、Gcm2のノックダウンにより影響を受けたのは、プロモータ2により合成されるエクソン1Bを含む転写産物であることが判明した。以上の結果から、過形成副甲状腺細胞において、Gcm2はCa感知受容体発現を制御し、その発現制御にはプロモータ2が関与していることが示唆された。Gcm2がCa感知受容体発現維持を介し副甲状腺機能制御に関与している可能性がある。
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