2008 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞阻害因子ノックアウトマウスのリン調節の解明
Project/Area Number |
20790601
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大城戸 一郎 Jikei University School of Medicine, 医学部, 助教 (40372966)
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Keywords | Osteorotegerin / FGF-23 / Phosphate |
Research Abstract |
生体内のリン代謝調節は、腎臓からの排泄・腸管からの吸収・骨との交換・細胞膜における輸送のバランスにより行われているが、血中リン濃度を規定している主たる因子は腎臓からのリン排泄で、ほとんど近位尿細管の管腔側のNa-Pi cotransporter type IIa(NaPi IIa)による再吸収によって決まっている。しかし、腎機能が低下するとリンが蓄積し、間接的にあるいは直接的に副甲状腺ホルモン(以下PTH)の合成分泌を刺激する。これが、二次性副甲状腺機能亢進症の病態形成の仮説であった。しかし、近年fibroblast growth factor 23(FGF-23)と高い破骨細胞分化阻止因子(OCIF : Osteoclast inhibitory factor/OPG : Osteoprotegerin)が二次性副甲状腺機能亢進症の病態形成に重要な役割を演じていることが想定されている。しかしながら、FGF-23やOPGがPTHあるいは1α, 25(OH)2D3調節系と如何なるネットワークを形成しているかは不明な点が多い。そこで我々は新しい液性因子の挙動を明らかにするために以下の実験を行った。 OPGノックアウトマウスを通常食群と高リン食群の2群に分けて飼育した。いずれの群でも血清リン濃度は変化しなかった。Wild-typeマウスでは経口リン負荷によって血清FGF-23濃度が上昇し、腎近位尿細管におけるNaPi2amRNAとNaPi2a蛋白の発現が低下して%TRPも低下していた。これに対してOPGノックアウトマウスでは、血清FGF-23濃度は経口リン負荷時にも変化せず、HaPi2aの発現も変化が見られなかった。また、血清PTH濃度、血清カルシトリオール濃度は4群間で変化を認めなかった。OPGノックアウトマウスでは、経口リン負荷に対するFGF-23の反応性が低下しており、OPGがFGF-23の調節に関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)