2011 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞阻害因子ノックアウトマウスのリン調節の解明
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20790601
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
大城戸 一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (40372966)
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Keywords | OPG / FGF23 / Klotho |
Research Abstract |
血中リン濃度を規定している主たる因子は腎臓からのリン排泄で、ほとんど近位尿細管の管腔側のNaPi IIaによる再吸収によって決まっている。近年FGF-23と破骨細胞分化阻止因子(OCIF:Osteoclast inhibitory factor/OPG:Osteoprotegerin)が慢性腎不全における二次性副甲状腺機能亢進症の病態形成に重要な役割を演じていることが想定されている。しかしながら、FGF-23やOPGがPTHあるいは1α,25(OH)2D3調節系と如何なるネットワークを形成しているかは不明な点が多い。平成22年度までの研究によりOPGノックアウトマウスでは、経口リン負荷に対するFGF-23の反応性が低下しており、OPGがFGF-23の調節になんらかの役割を果たしていることが示唆された。そこでさらに我々は慢性腎不全モデルマウスにおけるOPG、FGF-23、klothoなどの分子学的役割を明らかにする。慢性腎不全状態を尿管結紮マウスを作製することで、FGF23が高い状態を作製し、経口リン負荷に対するFGF-23の反応性が低下している状態での、血中のFGF-23や、Klotho,OPGの挙動を観察した。その時に、calcitoriol,Maxacalcitol,Paricalcitolを投与し、それらが腎機能に及ぼす影響を観察した。その結果特にparicalcitoriolでは、腎臓の線維化を抑制することが明らかとなった。一方、klothoノックアウトマウスにおいて経口リン負荷でのFGF-23の発現を検討した。FGF-23はklothoノックアウトマウスにおいて著名な増加を認め、低リン食にて軽度増加傾向を示した。また、正リン食においてリン吸着薬である塩酸セベラマーを投与することでFGF-23の発現量が低下傾向を示した。また、塩酸セベラマー投与により大動脈の石灰化が減少した。リン吸着薬である塩酸セベラマーはFGF23を減少することで大動脈石灰化を抑制する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)