2010 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症の病態解明および骨髄間質細胞移植による治療効果の検討
Project/Area Number |
20790614
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
北山 通朗 鳥取大学, 医学部, 助教 (70379650)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 骨髄間質細胞移植 |
Research Abstract |
平成22年度は、平成22年度研究実施計画に基づき、(1)トランスジェニックマウス組織の組織学的検討(2)骨髄間質細胞の分離培養および移植の治療的効果の判定を中心に研究を進めた。 トランスジェニックマウス組織の組織学的検討については、生後15、35、56、77、86、100、120、130、160日の各日齢のマウス(n=5)の脊髄前角(頸髄、腰髄)について検索した.一般染色に加え、免疫組織化学的には、抗GFAP抗体、抗Ibal-1抗体、抗SOD-1抗体を用い、病理学的経時的変化を明らかにするとともに、電子顕微鏡にて細胞内小器官の変化についても検索した。主な結果としては、前回報告と同様に神経細胞脱落は発症後に著明となるものの、変異SOD1は各日齢の神経細胞に発現し、ミトコンドリアなどの細胞内小器官の変性および細胞内封入体は極めて早期から出現していた。再現性のあるこれらの結果は、運動症状の発症以前から組織学的には神経細胞に明らかな異常所見を呈しており、発症は神経細胞機能障害による可能性が高いことを示している。この結果をもとに、引き続き骨髄間質細胞移植についての検討を行った。 骨髄間質細胞の分離培養および移植の治療的効果の判定について、本年度は、移植に用いる骨髄間質細胞の分離培養に関しては、プロトコール通り行い、安定した技術を習得するに至った。その技術を用い、発症前マウスにおける骨髄間質細胞移植を行ない、その効果について、臨床的、病理組織化学的に検討を行った。結果としては、移植群において延命効果があり、組織学的にも脊髄前角細胞は残存していたが、効果としては十分とは言えない結果であった。これらは、十分ではないにせよ移植自体の有用性を示唆するものであり、今後引き続き研究を進めていく必要性を見出す重要な結果であった。
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Research Products
(1 results)