2009 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病における新規ミトコンドリア蛋白の関与:新たな治療ターゲットの確立
Project/Area Number |
20790616
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
黒田 由紀子 Department of Clinical Research, National Hospital Organization Tokushima National Hospital, 臨床研究部, 研究員 (70398014)
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Keywords | パーキン / ミトコンドリア / chondroitin polemerizing factor (ChPF) / Klokin1 / siRNA / Cell Viabillity / アポトーシス |
Research Abstract |
パーキンはPARK2の原因遺伝子でいる。我々はこの転写産物はミトコンドリアに存在し、ミトコンドリア遺伝子の転写・複製を促進すること、細胞のアポトーシスを抑制することを見出した。パーキン蛋白自体にはミトコンドリアへの移行シグナルは存在しないことから、パーキンに結合する未知の蛋白がパーキンをミトコンドリアへ運搬する可能性が強く示唆された。我々はこの未知の蛋白を探索し、新規な遺伝子をKlokin1と命名した。我々はKlokin1はchondroitin polemerizing fator (ChPF)のsplicing variantであり、ChPFはもう一つのslicing variantであるChPF△996が存在すること見出した本研究では、さらに我々の見出した遺伝子の転写産物がミトコンドリア障害とどのような関連を有するかを検討した。 種々の培養細胞にKlokin1ファミリーを過剰発現させ、内因性パーキン蛋白をウエスタンブロット解析した。さらに、パーキンとKlokin1が同一の経路をたどっているかを調べるため、パーキンとKlokin1のsiRNAを用いてCell Viabilityを測定した。その結果、Klokin1ファミリーの過剰発現で、内因性パーキン蛋白の上昇が認められた。さらにパーキンをノックダウンしてKlokin1を過剰発現した場合は、生細胞数の増加が認めらけたが、逆にKlokin1をノックダウンして、パーキンを過剰発現させた場合には、生細胞数の増加は認められなかった。 以上の結果より、Klokin1はパーキンをミトコンドリアに運搬するのみならず、ミトコンドリア内で抗アポトーシス作用を発揮した。さらに、Klokin1/ChPFファミリーのミトコンドリアにおける作用は、パーキンと共通した経路を介しており、パーキン欠損に伴うアポトーシスを抑制し得ることが示された。
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Research Products
(3 results)