2008 Fiscal Year Annual Research Report
ラット脳卒中モデルにおける水素ガスを用いた効果の検討
Project/Area Number |
20790628
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
西山 康裕 Nippon Medical School, 医学部, 助教 (20350077)
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Keywords | 水素ガス / 脳梗塞 |
Research Abstract |
水素ガスを吸入させることにより脳梗塞体積が縮小するというこれまでの知見を基に、まず水素ガスを溶解させた水素水を経口投与することにより脳卒中自然発症ラット(SHRSP)の死亡率に変化が見られるかを検討した。水素ガスは4気圧を2時間かけることで蒸留水に溶解させた。電位を測定することで、一定の溶解をしていることを確認し、(水素水の電位は約-300〜-500mV)毎日1回交換し、水素水群(n=12), 蒸留水群(n=12)で比較検討を行った。結果として、両群間で死亡率に有意な差を認めず(Log-rank検定p=0.19)、水素水が生命予後に及ぼす影響については確認できなかった。原因として、水素水の交換は連日行っていたが、交換時の水素水の電位は蒸留水と同等に戻っており(約100-150mV)、水素水としての効果が持続できなかった可能性が示唆された。現在は毎日2回交換することとし、水素水用の容器に工夫を加えている。一方で生理食塩水に水素ガスを溶解し、経静脈投与を行う実験については、水素水群と対照群に対してMCAO直後より90分間投与を行ったが、現時点で両者に脳梗塞体積に有意な差を認めていない。溶解液の水素濃度の問題に加え、ラットに投与可能な持続速度などの要因についてもさらに検討が必要であり、様々な観点から予備実験が必要と考えている。今後検討を重ね、経静脈投与に最適な条件を設定し、脳梗塞体積への影響、神経機能スコアへの影響を検討したい。
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