2008 Fiscal Year Annual Research Report
肝栄養代謝における小胞体ストレス応答の分子機構解明
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20790643
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
太田 嗣人 Kanazawa University, フロンティアサイエンス機構, 特任助教 (60397213)
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Keywords | 脂肪肝 / 小胞体ストレス / インリン抵抗性 / 脂質代謝 / 糖尿病 / 非アルコール性脂肪肝炎(NASH) / 炎症 / 肝臓 |
Research Abstract |
過栄養・肥満がもたらす生活習慣病の発生と維持において,栄養代謝の中枢である肝臓の役割を明らかにするため, 本研究では次の課題(A, B)に基づいて研究を行っている. すなわち, A : 過栄養がもたらす小胞体ストレス応答の分子機構解明, B : 過栄養における肝脂質代謝機能の破綻が非アルコール性脂肪肝炎(NASH)・インスリン抵抗性を発症する機序である. 過栄養では肝へ過剰に流入した脂肪酸がERストレスを誘導し, アポリポ蛋白B(apoB)の分泌を減少させ脂肪肝が促進するという現象(Ota T et al, J Clin Invest 2008)および課題Aに関して, 次のことを明らかにした. 肝臓へ流入する脂肪酸はその種類によって, 共通あるいは固有の小胞体ストレス経路あるいは酸化ストレス経路を介してapoBの分泌を阻害し, 脂肪肝や脂質異常症を増悪または改善させることがわかり, その研究成果は2008年欧州糖尿病学会議(EASD)にて発表した. さらに, どのようなストレス応答分子がその標的分子となるかを検討していく予定である. また課題Bに関し, インスリン抵抗性の進展に伴い, 脂肪のみならず肝臓への炎症細胞の浸潤が惹起され, 薬剤により肝臓における炎症の改善がNASHの進展阻止につながることを見出した(Hepatology 2008). 肝臓への炎症細胞の浸潤がインスリン抵抗性によってもたらされるNASHの進展に重要であると考えられた. 今後, 肝臓の脂質代謝の破綻が炎症(NASH)や全身のインスリン抵抗性を誘導・形成する機序を中心にモデル動物(高脂肪食摂取マウス, 遺伝的肥満モデルマウス)を用いて検証していく予定ある.
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Research Products
(5 results)