2008 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪毒性および耐糖能異常の新規治療標的としてのG蛋白共役型-脂肪酸受容体の意義
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20790645
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
冨田 努 Kyoto University, 医学研究科, 医員 (50402897)
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Keywords | G蛋白共役型受容体 / GPR40 / インスリン分泌 / 糖尿病 / 脂肪毒性 |
Research Abstract |
GPR40の肥満・糖尿病での病態生理的意義の解明のため、複数の遺伝性肥満モデルの膵島でGPR40遺伝子発現を検討した。db/dbマウスなどの遺伝性肥満動物では膵島でのGPR40遺伝子発現が非肥満対照と比べ約1/2以下に低下していた。次に、肥満・耐糖能障害の発症・進展でのGPR40の意義を明らかにする目的で遺伝性肥満コレツキーラット(fak/fak)および非肥満対照(+/+)の膵島でのGPR40遺伝子発現を定量した。6週齢にて2群間で、体重に有意な差がなく、腹腔内糖負荷試験(ipGTT)で血糖にほとんど差はなかった。6週齢でfak/fakの膵島でGPR40遺伝子発現は+/+に匹敵していた。14週齢ではfak/fakで+/+と比べ体重が有意に増加していた。ipGTTでfak/fakで+/+に比べ耐糖能異常の進展が示され、血中インスリンレベルの頂値は30分(6週齢)から90分(14週齢)に遅延していた。fak/fakの膵島でGPR40遺伝子発現は+/+の約1/3に著明に低下していた。一方、+/+の膵島でGPR40遺伝子発現はほとんど変化がなかった。fak/fakで10週齢から4週間50%のカロリー制限を行ったところ14週齢で体重は+/+と同じとなり、ipGTTで耐糖能は+/+とほぼ同じに改善し、血中インスリンレベルの頂値は+/+と同様に30分に正常化し、膵島でのGPR40遺伝子発現は+/+と匹敵するレベルに回復していた。 【結論】遺伝性肥満動物では膵島でのGPR40遺伝子発現が低下していることを示した。また、fak/fakで膵島でのGPR40遺伝子発現が肥満・インスリン分泌調節異常の進展とともに低下し、カロリー制限で正常化することを示した。以上の結果から、膵島におけるGPR40発現の低下と、肥満・耐糖能異常でのインスリン分泌調節異常の進展が連関する可能性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Presentation] G蛋白共役型受容体40(GPR40)の肥満・糖代謝異常の発症・進展における意義の検討2008
Author(s)
冨田努, 細田公則, 小鳥真司, 藤倉純二, 岩倉浩, 野口倫生, 森栄作, 海老原健, 平田雅一, 益崎裕章, 中尾一和
Organizer
第29回日本肥満学会
Place of Presentation
大分
Year and Date
20081017-20081018
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[Presentation] Decreased Gene Expression of a Membrane-Bound Fatty Acid Receptor, GPR40, in Pancreatic Islets in Koletsky Rats, a Genetically Obese Model with Dysregulated Insulin Secretion2008
Author(s)
T. Tomita, K. Hosoda, S. Odori, J. Fujikura, H. Iwakura, M. Noguchi, K. Ebihara, M. Hirata, H. Masuzaki, K. Nakao
Organizer
Keystone Symposia (Islet and Beta Cell Biology)
Place of Presentation
Snowbird, Utah
Year and Date
2008-04-09