2009 Fiscal Year Annual Research Report
膵特異的遺伝子発現制御マウスを用いた膵再生メカニズムの解析
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20790647
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮崎 早月 Osaka University, 医学系研究科, 特任研究員 (60452439)
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Keywords | 膵β細胞 / 再生 / 転写因子 |
Research Abstract |
膵β細胞の再生医療の実現を目指し、これまで私はアデノウイルスベクターを用いた遺伝子導入によって膵再生メカニズムを解明しようと研究を進めてきた。その中で、Pdx-1とIs1-1という転写因子が重要であることがわかってきた。本研究は、これらの遺伝子の膵β細胞再生における役割と機構を解析するため、Pdx-1とIs1-1を同時に膵外分泌腺においてのみ発現制御できるマウスを作製し、膵臓の変化を観察し、さらに何らかの再生像が観察されれば、lineage tracing実験を行い、膵β細胞の幹細胞あるいは前駆細胞を探索することを目的としている。 本年度は以下の内容に示す研究を行った。 1. Elastase-Cre/Pdx-1/Is1-1発現制御マウスの飲用水からDoxを除き、Pdx-1及びIs1-1を発現させ、膵臓の組織学的変化を経時的に観察した。 2. Dox非存在下で6週間以上維持すると、tubular complexが出現し、マーキングされた腺房細胞の一部がβ細胞などの内分泌細胞に分化転換しているのが観察された。 3. 出現したインスリン陽性細胞が機能的であるかどうか検討するために、STZ糖尿病マウスを用いて随時血糖の変化を測定し、STZ投与後約6週間後にipGTTを行った。 本研究により、腺房細胞は膵発生に重要な転写因子を強制発現させることで、in vivoにおいて膵β細胞に分化転換できる可能性があることが示唆された。自己の腺房細胞を取り出すことなく、in vivoで分化転換させることができれば、糖尿病の再生医療に繋がると期待される。
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