2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790657
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 賢忠 The University of Tokyo, 医科学研究所, 助教 (70396878)
|
Keywords | グルココルチコイド / グルココルチコイド受容体 / 心筋代謝 / HEXIM1 |
Research Abstract |
【研究の要旨】 心筋におけるグルココルチコイド(GC)作用を、グルココルチコイド受容体(GR)とその標的遺伝子を基軸として詳細に究明し、その生理学的意義を明らかにすることを目的とする。 【研究成果】 1)ラット初代心筋培養細胞における機能的GRの発現を確認し、アデノウイルスによるFLAGタグ付きGRおよびミネラルコルチコイド受容体(MR)過剰発現系、siRNA発現ウイルスおよびオリゴヌクレオチドの一過性導入によるGR、MRノックダウン系を確立した。 2)GR選択的拮抗薬であるRU486とGR選択的アゴニストコルチバゾール(CVZ)を組み合わせ、受容体発現調節系を用いることで高効率にGC-GR制御系に選択的な標的遺伝子を抽出するシステムを確立した。 3)GC-GRの抗炎症作用の一部はシクロオキシゲナーゼ2(COX-2)、フォスフォリパーゼA2(PLA2)の発現抑制であることが明らかにされているが、上記システムを用い、心筋ではGC-GRはCOX-2、PLA2の発現を誘導することを明らかにした。 4)上記システムを用い、GC-GRは転写因子KLF15の発現を誘導し、KLF15の標的遺伝子であるBCATmの発現などを制御することにより、心筋のアミノ酸代謝に関与することを明らかにした。 5)心筋において、転写伸長反応抑制核内タンパクであるHEXIM1はGC-GRによる転写調節作用を負に制御していることを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)