2008 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞からのステロイド産生細胞への分化誘導法の確立および分化機序の解明
Project/Area Number |
20790661
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 智子 Kyushu University, 医学研究院, 学術研究員 (10380528)
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Keywords | ステロイドホルモン / 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
1. 液性因子の検討 骨髄由来間葉系幹細胞へAd4BP/SF-1発現アデノウイルスベクターを感染後、1日目より培地中にFGF2, FGF9, IGF-1, MIS/AMHを添加し、Ad4BP/SF-1による分化誘導への影響を検討した。その結果、FGF2は非刺激と比較して、プロゲステロン、コルチゾール、テストステロン産生を亢進し、Ad4BP/SF-1による分化誘導を促進することが示唆された。しかし、FGF2による分化促進機序は不明であり、今後の課題である。 2. 脂肪由来間葉系幹細胞からのステロイド産生細胞への分化誘導 脂肪組織由来間葉系幹細胞も骨髄由来間葉系幹細胞と同様にAd4BP/SF-1の強制発現によって、ステロイド産生細胞へと分化することを明らかにした。脂肪由来間葉系幹細胞は、骨髄由来と比較して比較的採取が容易で、細胞数もより多く得られることから、自己ステロイド産生細胞のソースとして有用であると考えられる 3. DNA脱メチル化剤処理による内因性Ad4BP/SF-1の発現誘導 マウス骨髄由来間葉系幹細胞を5-Aza-2'-DeoxycytidineにてDNA脱メチル化処理した結果、mRNAレベルでAd4bp/sf-1の発現が誘導を認めた。しかし、この発現レベルは副腎腫瘍由来細胞株であるY1細胞の発現レベルにはるかに及ばず、ステロイド産生も認めなかった。
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