2008 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスによるミネラルコルチコイド受容体のユビキチン化修飾の変化と心血管障害
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20790664
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横田 健一 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 特任研究員 (50424156)
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Keywords | アルドステロン / MR |
Research Abstract |
アルドステロン(Aldo)はミネラルコルチコイド受容体(MR)の活性化を介し、原発性アルドステロン症における血管合併症を惹起する。一方、血中Aldo濃度が正常でもMR拮抗薬により治療抵抗性高血圧が改善するAldo関連高血圧が存在することから、Aldo非依存性のMR活性化が示唆される。我々はMR活性化の下流シグナルであるEGF受容体やPI3キナーゼが、MR自身を蛋白修飾することで、MR転写系の上流に影響を及ぼす可能性について検討した。我々はMRのユビキチン化について報告しており、ユビキチン化を代表とする種々の蛋白修飾について検討していく。 1)MRの転写活性 : COS-7細胞におけるMR転写活性を既報のレポーターアッセイで検討した。EGF、LY294002(PI3キナーゼ阻害薬)、spironolactone、eplerenone(MR拮抗薬)を用いた。 2)MRの細胞内局在の変化 : HEK293細胞にMR遺伝子を一過性に発現させ、核移行に対する上記薬剤の影響を免疫蛍光染色にて検討した。 結果は、EGF(10ng/ml)、LY294002(10μM)の添加は、10^<-11>〜10^<-9>M AldoによるMR転写活性化をいずれも濃度依存性に増強した(10^<-10>Maldoの時、EGFで1.9倍、LY294002で3.2倍)。100nM cortisolによるMR転写活性に対しても同様の影響を認め、MR転写活性はspironolactone(10^<-7>M)及びeplerenone(10^<-6>M)で阻害された。MRの細胞内局在では、EGF及びLY294002の添加によりAldoによるMRの核移行の促進を認めた。EGF受容体及びPI3キナーゼは、MR自身の修飾により分解を抑制したり、MRの細胞内局在を変化させ、MR転写活性を正及び負に制御する可能性が示され、さらなる分子機構につき検討を進めていく予定である。
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