2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規生理活性ペプチドの同定と機能解析による新しい生体調節機構の解明
Project/Area Number |
20790666
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
森 健二 National Cardiovascular Center Research Institute, 生化学部, 室長 (00416223)
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Keywords | オーファンGPCR / 内因性リガンド / 生理活性ペプチド / 内分泌 |
Research Abstract |
様々な生体機能の調節・維持において、組織間もしくは細胞間での情報交換が非常に重要な役割を果たしており、これらの情報伝達には数多くの生理活性ペプチドが関与している。したがって、新しい生理活性ペプチドを発見することにより、これまで未知であった生体調節機構を明らかにすることが可能である。ほとんどの生理活性ペプチドは、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)を介して情報を伝達している。現在、リガンドの不明なオーファンGPCRが約200種類存在し、未知の生理活性ペプチドがリガンドであると推定されるGPCRも存在する。現在でも、これらオーファンGPCRのペプチド性リガンドの探索が活発に行われているが、2005年に発見したニューロメジンSを最後に同定されていない。その一因として、多くの研究は、既存合成ペプチドライブラリーを用いたマッチング試験によりリガンドを決定していたことが考えられる。そこで、本研究では動物組織から精製・構造解析することにより、新規生理活性ペプチドの同定を試みた。この結果、オーファンGPCRの内因性リガンドとして生理活性ペプチドを同定できた。このペプチドの前駆体タンパク質をコードするcDNAをクローニングし、その構造を解析した結果、この前駆体タンパク質は同定できたペプチドだけでなく、新たなペプチドを作り出す可能性を見出した。そこで、新たな生理活性ペプチド候補が実際に生体内で産生されていることを証明するために特異抗体を用いた精製を試み、複数の動物組織での産生を確認した。今後、このペプチドの関与する生理機能を明らかにするために動物への投与実験などを計画している。
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