2008 Fiscal Year Annual Research Report
Siva-1を介するリンパ球のアポトーシス誘導機構の解明
Project/Area Number |
20790678
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
下田 晴子 University of Miyazaki, 医学部, 医員 (10452921)
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Keywords | サイトカイン / シグナル伝達 / アポトーシス |
Research Abstract |
1. インターフェロン(IFN)αの抗腫瘍効果のシグナル伝達機構 (1) IFNα刺激によるp53発現の亢進が、Siva-1蛋白の発現量を調節しているか Stat1欠損マウス由来の細胞におけるSiva-1の発現量およびIFNα刺激時のSiva-1の発現量の増加を野生型マウス由来の細胞と比較した。 (2) Siva-1はIFNαによる細胞増殖抑制作用を担うTyk2の下流分子であるか 細胞内でTyk2とSiva-1はSiva-1のN末で会合し、Tyk2によりリン酸化されることを見出した。これらの結果は生化学的にSiva-1がTyk2の基質であることを示しており、機能的にも細胞増殖抑制のシグナル伝達に重要である可能性が考えられた。そこで、マウスのproB細胞であるBaF3細胞を用いて、野生型Tyk2を恒常的発現させた細胞(BaF3/Tyk2WT)にSiva-1を導入したところ、通常のBaF3細胞(BaF3/parent)にSiva-1を導入した場合と較べて生じるアポトーシスの割合が約2倍に増加することが分かった。活性型Tyk2を発現させた細胞(BaF/TykV678F)にSiva-1を導入した場合も生じるアポトーシスの割合はBaF3/Tyk2WT細胞の場合と変わらないことから、Tyk2がSiva-1をリン酸化することがアポトーシス作用の増強に重要なのではなく、Tyk2とSiva-1が会合することが重要であることが考えられた。現在再現性を確認するとともに、Tyk2との会合部分を欠損させたSiva-1を用いた場合を確認中である。 2. 14番染色体転座を有する悪性リンパ腫の発症・病態にSiva-1が関与しているかSiva-1は第14番染色体上に位置することから、第14番染色体転座をもつ悪性リンパ腫の発症にSiva-1が関与する可能性を考えた。インフォームドコンセントを得た症例を収集した。
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