2008 Fiscal Year Annual Research Report
抗CCR4抗体の抗腫瘍効果増強を目的とした併用療法確立のための基礎的研究
Project/Area Number |
20790680
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
石田 高司 Nagoya City University, 大学院・医学研究科, 講師 (80405183)
|
Keywords | CCR4 / 抗体療法 / ADCC / lymphoma |
Research Abstract |
G-CSFを併用することにより、抗CCR4抗体の抗腫瘍効果が有意に増強することを、ArLL/SCIDマウスモデルで示した。そしてその作用機序はG-CSFによるマウスマクロファージの貪食能亢進であることを示した。エフェクター細胞の機能を亢進させる薬剤は抗CCR4抗体の併用薬として有望であることを証明した(Br J Haematol)。抗CCR4抗体の主たる作用機序はADCCである。現在臨床現場で不可欠の薬剤であるリツキシマブを用いてADCCの作用機序を詳細に検討した。結果、ADCCの感受性規定因子として、リンパ腫細胞発現するNKG2DのリガンドであるULBPが重要であることを明らかにした。この事実は、ULBPの発現を増強させる薬剤との併用により、抗CCR4抗体など治療抗体のADCC誘導能を増強可能であることを意味する(lnt J Cancer)。また、骨髄腫に対し臨床で高い効果を示しているボルテゾミブが、T細胞性リンパ腫に対しても有望であることを明らかにした(Cancer Sci)。今後は抗CCR4抗体との併用実験を推し進めていく予定である。ヒト体内でのADCCはヒト免疫担当細胞をエフェクターとしておこるが、マウス体内においてはマウス免疫担当細胞をエフェクターとしておこる。故に、抗CCR4抗体を含む免疫療法のマウスin vivoでの抗腫瘍効果が、そのままヒトでの抗腫瘍効果を直接的に反映しないのが、これまでの限界であった。その壁を乗り越えるため、NoD/Shi-scid, IL-2Rγ^<null>(NOG)マウスを使用した。NOGマウスは、NOD-scidなどの免疫不全マウスと比較して、多様なヒト細胞が分化、増殖することが可能である。NOGマウスにヒト免疫担当細胞を生着させ、マウスin vivoでヒトエフェクター細胞による、抗CCR4抗体のADCCを確認しえた(Cancer Immunol Immunother)。本系は免疫療法のモデルマウスとして有用である。
|