2008 Fiscal Year Annual Research Report
オーファン受容体Tie1のリガンド同定と血液学的機能解析
Project/Area Number |
20790685
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
百瀬 暖佳 National Institute of Infectious Diseases, 血液・安全性研究部, 研究員 (70415488)
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Keywords | 血液学 / 幹細胞 |
Research Abstract |
造血幹細胞は全ての血球細胞への多分化能と自己複製能を保持した細胞であり、生涯に渡って血球細胞を供給し続ける。造血幹細胞の維持は血液システムの維持にとって極めて重要であり、また臨床医学の分野では既に実用化もされているが、その機能を制御する分子機構についてはあまり理解が進んでいない。本研究では、造血幹細胞に高く発現している受容体型チロシンキナーゼTie1に着目し、オーファン受容体であり未解明な部分が多いTie1の機能解明を目指して、リガンドの同定を行いたいと考えている。本年度はリガンドが発現している可能性のあるOP9細胞と、Tie1の細胞外ドメイン融合蛋白質Tie1-Fcを用い、改良型シグナルシーケンストラップ法によるスクリーニングを行った。その結果、1回目のスクリーニングではポジティブな細胞集団が得られたものの、回数を重ねる毎に割合が減り、1回目のスクリーニングではポジティブな細胞集団が得られたものの、回数を重ねる毎に割合が減り、最終的にポジティブクローンを得るには至らなかった。当初の解析で、OP9細胞へのTie1-Fc蛋白質の結合能が高くはなかったことから、OP9細胞に発現しているリガンド量が少ないことが原因の一つと考えられた。そこで、Tie1-Fcと強く相互作用する細胞を探索し、OP9細胞同様に血液支持能があるhTERT細胞を用いることとした。再度スクリーニングを行った結果、スクリーニング回数を重ねる毎にポジティブ集団の割合が増加し、その中から複数のポジティブクローンを得ることに成功した。現在、シーケンシングによってリガンド候補分子の同定を試みるため、得られたクローンから導入されたcDNAを回収しているところである。
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Research Products
(3 results)