2008 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫および破骨細胞分化に及ぼすCDK4/6の新規機能の解析
Project/Area Number |
20790689
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
村上 洋介 Tokyo Medical and Dental University, 医学部, 非常勤講師 (30415319)
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Keywords | CDK4 / 6 / P16^<INK4a> / LPS / IRAK / AP-1 |
Research Abstract |
細胞増殖は細胞周期制御因子により厳密に制御されている。サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6は細胞増殖に必須な因子の一つである。p16^<1NK4a>は、このCDK4/6を阻害することで細胞増殖を停止させる。これまでの検討で、我々はp16^<INK4a>の遺伝子導入は関節炎モデルマウスの関節炎進展を抑制することを見出した。その作用機序は、滑膜細胞の増殖抑制だけでなく、炎症抑制も介していることが明らかになった。このため、本研究ではp16^<INK4a>による抗炎症の作用機序について解析を行った。p16^<INK4a>をマクロファージに遺伝子導入するとLPSによって誘導されるIL-6の産生が著明に抑制された。IL-6発現におけるp16^<INK4a>の抑制作用を解析したところ以下の点が明らかとなった。(1) p16^<INK4a>導入マクロファージではLPS誘導NF-kBの活性化は抑制されないが、AP-1の活性化が著明に抑制された。(2) AP-1の上流のシグナルであるMAPKs(JNK, p38MAPK)のリン酸化もp16^<INK4a>によって抑制された。(3) MAPKsの上流分子であるMKKのリン酸化阻害も観察された。(4) MKKの上流であるTAK1のリン酸化も阻害された。(5) LPSによって誘導されるIRAKのデグラデーションはp16^<INK4a>導入マクロファージとコントロールで差は認められなかった。しかし、IRAKのタンパクレベルはp16^<INK4a>導入マクロファージで低下傾向にあった。以上の結果から、p16^<INK4a>の作用によりIRAKのユビキチン化が亢進することでAP-1活性化抑制を引き起こし、IL-6産生を抑制していると考えられる。
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