2009 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫および破骨細胞分化に及ぼすCDK4/6の新規機能の解析
Project/Area Number |
20790689
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
村上 洋介 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, メディカルフェロー (30415319)
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Keywords | CDK4 / 6 / p16^<INK4a> / macrophage / IRAK1 |
Research Abstract |
前年度では、CDK4/6阻害因子であるp16^<INK4a>をマクロファージで強制発現させると、LPS誘導IL-6産生を抑制し、その作用はCDK4/6を介さず、p16^<INK4a>独自の作用であることを認めた。また、p16^<INK4a>は、IRAK1のdegradationの促進、MAPKおよびAP-1活性を抑制していることを明らかにした。本年度は、p16^<INK4a>によるIRAKのdegradation促進が、ubiquitin-proteasome系に依存するか、またIL-6抑制に寄与しているか検討を行った。Proteasome阻害剤をマクロファージに投与すると、p16^<INK4a>により誘導されるIRAK1のdegradationは阻害され、MAPKの活性化は回復した。また、IRAK1のp16^<INK4a>とともにIRAK1を強制発現させたところ、p16^<INK4a>によるIL-6の抑制効果は解除された。このことから、p16^<INK4a>はIRAK1のdegradation促進することでIL-6の産生抑制していることを明らかにした。さらに、生理的条件下でもp16^<INK4a>がIL-6産生を抑制するか検討するため、マクロファージを長期培養してp16^<INK4a>を発現させた(老化マクロファージ)。この老化マクロファージにp16^<INK4a>に対するsiRNAを遺伝子導入し、p16^<INK4a>をノックダウンしたところ、コントロールsiRNAを導入した老化マクロファージと比較して、LPS刺激によるIL-6の産生は有意に増強された。この結果から、p16^<INK4a>は生理的条件下でもIL-6産生を抑制することを見出した。 以上の結果から、p16^<INK4a>は従来から知られていた増殖抑制作用だけでなく、抗炎症作用も持つ分子であることが明らかとなった。
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