2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変マウスES細胞由来の樹状細胞による免疫制御療法の開発
Project/Area Number |
20790693
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
平田 真哉 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60418829)
|
Keywords | マウスアロ膵島移植 / マウスES細胞 / ES細胞由来の樹状細胞(ES-DC) / TRAIL / 制御性T細胞 / 糖尿病 / NODマウス / C蛋白質誘導性筋炎モデルマウス |
Research Abstract |
1.NODマウスにおける糖尿病自然発症の抑制 免疫抑制性分子(TRAIL, PD-L1)を遺伝子導入したNOD-ES細胞を作製し、in vitroで樹状細胞(ES-DC)に分化誘導することに成功した。DMを発症する前のNODマウスにこの遺伝子導入ES-DCを投与して、DM発症率における影響を検証している。 2.糖尿病発症マウスにおける同種異系(アロ)の膵島移植実験 免疫抑制性分子であるTRAILを遺伝子導入したマウスES細胞(TT2, H-2^<k/b>)由来のES-DCの投与により、ストレプトゾトシンで糖尿病を誘導したCBAマウス(H-2^k)に、(CBAxC57BL/6)F1マウスの膵島(H-2^<k/b>)を長期間生着させることに成功した。また、このTRAILを強発現させたアロES-DCの投与により、(1)アロ抗原に対するT細胞の免疫反応が低下していること、(2)関係のない抗原であるKLHに対する免疫応答に影響を与えないこと、(3)投与されたマウス個体において免疫抑制能を持つ制御性T細胞が増加していることを明らかにした。さらに、(4)in vitroにおいても、TRAILを遺伝子導入したES-DCが親株のES-DCより強くアロ制御性T細胞を増殖させることを発見した。これらの成果をまとめて、現在、科学雑誌に投稿中である。 3.筋炎モデルマウスへの応用 杉原らにより開発された新しい筋炎モデルマウス(C蛋白質誘導性筋炎,Arthritis Rheum.2007 Apr ; 56(4) : 1304-14.)はCD8陽性T細胞が発症に主要な役割をもつ世界初のマウスモデルである。免疫抑制分子と抗原を遺伝子導入したES-DCの投与が、この筋炎モデルマウスの発症に影響を与えるか検証するため、研究を開始した。
|
Research Products
(7 results)