2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20790695
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
橋本 篤 北里大学, 医学部, 助教 (50327376)
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Keywords | 関節リウマチ / FKBP5 / 骨髄 |
Research Abstract |
前年度までの研究において、関節リウマチ(RA)例および対照疾患として変形性関節症(OA)例のCD34陽性骨髄細胞のmRNA発現量を測定したところFKBP5 (FK506-binding protein 5)遺伝子のmRNAがOA例に比べRA例で有意に強く発現している事を発見した。FKBP5 mRNA発現量と各種患者背景因子との相関はなかった。また、炎症に関与する転写因子NFkBのmRNA発現量についても同様の結果であった。健常者のCD34陽性骨髄細胞を炎症性サイトカインTNFαで刺激するとNFkBのmRNA発現量は増加したがFKBP5のmRNA発現量は増加しなかったことから、RA骨髄CD34陽性細胞におけるFKBP5 mRNAの発現亢進は治療薬や炎症による二次的変化ではなく、RAの病態によるものと確認された。FKBP5遺伝子をマウス・マクロファージ様細胞RAW264.7にトランスフェクションし、同遺伝子のstable transfectantを作成、このクローンをTNFαで刺激したところNFkBの発現亢進および線維芽細胞様細胞への形態変化が確認された。TNFα刺激によりFKBP5の発現亢進はみられなかったことから、FKBP5とNFkBの活性化の機序は異なり、FKBP5によるNFkBの活性化が骨髄細胞の線維芽細胞様細胞への変化を通じRAの病態を形成している可能性が示唆された。さらに、膠原病領域において強皮症は線維芽細胞の増殖と膠原線維の増殖から皮膚硬化をきたす疾患である。そのため患者背景・病態とFKBP5その他の遺伝子の関係を明らかにすべく強皮症患者データベースを構築、解析を行った。
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