2009 Fiscal Year Annual Research Report
強皮症モデルマウスにおけるimatinib及びPDGF受容体選択的抑制の治療効果
Project/Area Number |
20790696
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
伊與田 雅之 Showa University, 医学部, 助教 (20384365)
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Keywords | 強皮症 / Imatinib / PDGF |
Research Abstract |
今回の実験において注目すべきは、皮膚線維化発症後にimatinib(IM)の治療を開始して、治療効果があるかということである。皮膚線維化発症前に治療を開始して治療効果を得た論文はあるが、皮膚線維化発症後では報告がない。HasegawaらはB細胞の他にT細胞や肥満細胞も同時に抑制すれば治療効果が期待出来るかもしれないと推測しているが(Hasegawa M et al. Am J Pathol 2006)、IMはB細胞抑制の他にT細胞抑制効果も報告されており興味深い(Seggewiss R et al. Blood 2005)。我々はクリオグロブリン腎症発症マウスの慢性期にIMの治療を開始し、腎炎のみならず皮膚潰瘍まで劇的な治療効果を得た(Iyoda et al. J Am Soc Nephrol 2009)。さらに、ラット抗GBM抗体腎炎においてIMが治療効果を発揮することもすでに報告している(Iyoda et al. Kidney Int 2009)。またブレオマイシン誘発肺障害にてIMは炎症後期に線維化主体となった時期に投与を開始しても治療効果を認めた(Chaudhary et al. Am J Respir Crit Care Med 2006)。以上のevidenceよりIMはTight skin miceにおいて予防効果のみならず慢性期の治療効果を発揮する可能性を秘めている。実際に生後13週のTight skin miceにIM治療を8週間継続したところ、有意に皮膚線維化を抑制した(186.40±20.35 vs 101.96±16.64μm, p<0.01)。mRNAレベルで線維化マーカーを検討した結果、有意にcollagen type I, fibronectin, TGF-βmRNAを抑制した(collagen type I:-38%; fibronectin: -46%; TGF-β: -26%)。さらにimatinibは血清Scl-70レベルを有意に抑制した(0.83±0,23 vs 0.38±0.05, p<0.05)。
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Research Products
(11 results)