2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規サイトカインIL-17Fの気道リモデリングへの関与
Project/Area Number |
20790697
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川口 未央 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50365748)
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Keywords | 気管支喘息 / IL-17F / 気道リモデリング |
Research Abstract |
喘息の長期管理は吸入ステロイド薬により容易となってきたが難治症例は未だに存在する。その原因の一つとして気道リモデリングが重要である。気道リモデリングの形成にはIL-11やIGF-Iなどの様々なサイトカインや成長因子が関係しているがこれらの誘導因子と発現機構は不明である。2001年に我々はIL-17F(ML-1)を発見した(Kawaguchi et.al.J.Immunol.2001)。IL-17Fの産生細胞は最近注目を浴びているTh17細胞以外に好塩基球や肥満細胞が知られている。これらの細胞はアレルギー性気道炎症において重要な役割を担っている。喘息患者の気道ではIL-17F遺伝子の発現が亢進している(Kawaguchi et.al.J.Immunol.2001)。さらにIL-17Fの機能的多型は喘息の重症化に関与する(Kawaguchi et al.J.Allergy Clin.Immunol.2006、Hizawa et al.Clin.Exp.Allergy.2006)。これらのことからIL-17Fが喘息の病態形成に深く関与していることが考えられる。そこでIL-17Fによる気道上細胞からIL-11の発現をまず検討した。IL-17Fは気道上皮細胞からRaf1-MEK1/2-ERK1/2-MSK1-CREB経路を介し、IL-11の発現を有意に誘導した。また、Th2サイトカインであるIL-4およびIL-13はこの発現を増強させた。さらにIL-17FはIGF-Iの産生も有意に誘導した。以上よりIL-17Fは難治性喘息の治療標的になる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)