2008 Fiscal Year Annual Research Report
全身性自己免疫疾患における肥満因子レプチンに関する研究
Project/Area Number |
20790707
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Utano National Hospital |
Principal Investigator |
藤田 義正 Department of Clinical Research, National Hospital Organization Utano National Hospital, 宇多野病院臨床研究部, 研究員 (70450880)
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Keywords | 内科 / 免疫学 |
Research Abstract |
1. レプチン欠損・受容体欠損MRL/lprマウスの作成 SLE自然発症モデルであるMRL/lprマウスとレプチン欠損マウスであるob/obマウスおよび、レプチン受容体欠損マウスであるdb/dbマウスを戻し交配を繰り返すことにより、MRL/lprマウスをバックグラウンドとしたレプチン欠損マウスとレプチン受容体欠損マウスを作成することに成功した。本年度より解析を行う。 2. レプチンのB細胞に対する抗アポトーシス作用 低栄養状態では血中レプチン濃度が低下し、末梢血や骨髄B細胞の著明な減少を来し、特に骨髄においてpro B細胞、pre B細胞の減少が著しいことを示した。B細胞の減少はレプチン投与により回復を認めた。低栄養伏態では骨髄においてアポトーシス細胞が増加し、レプチン投与により減少した。レプチン受容体欠損マウスでも同様のB細胞の減少がみられ、レプチン投与により回復しなかった。レプチンによる骨髄B細胞に対する抗アポトーシス作用はin vitroでは認められなかったこと、レプチン受容体欠損マウスからscidマウスへの骨髄移植ではコントロールマウスと同様の正常なB細胞数、分画がみられたことから、レプチンのB細胞に対する作用は直接作用よりも骨髄間質細胞などを介した間接的な作用である可能性が示された。レプチンはT細胞に対しては抗アポトーシス作用をはじめ多彩な直接作用が報告されている。B細胞に対するレプチンの作用はこれまで報告が少ないが、低栄養状態でのB細胞に対する作用とそれが間接作用であるという可能性を初めて明らかにした新規のデータである。
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