2009 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌の新規免疫撹乱遺伝子によるアトピー性皮膚炎及び感染症への影響を探る
Project/Area Number |
20790711
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
片山 由紀 Juntendo University, 医学部, 助教 (60365591)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / 皮膚炎発症マウスモデル / ゲノムアイランド / 病原性遺伝子群 / β溶血毒素 / 皮膚定着因子 / MHCホモログ遺伝子 |
Research Abstract |
「研究概要」 申請者の属する研究室は、世界で最初に黄色ブドウ球菌3株(親株、耐性株、強毒株)の全ゲノムを決定し、比較ゲノム解析とMicroarrayを駆使した結果、種々の免疫系を攪乱すると予想される"免疫攪乱遺伝子群"を見出した。そして、それらの免役攪乱物質や毒素は、既存の機能に加え、新しい感染宿主免疫系の機序に関与していた事を明らかにした。本研究では、その黄色ブドウ球菌で見いだされた、種々の免疫系を攪乱すると予想される遺伝子群と、感染宿主免疫系との相互作用をin vivo皮膚炎発症マウス感染実験系で研究し、黄色ブドウ球菌の感染力の影響とアレルギー性皮膚炎増悪のメカニズムの本質に迫った。 「研究成果」 1)黄色ブドウ球菌の免疫攪乱物質の同定。 2)溶血毒素(βヘモリジン)が、従来から知られていた赤血球溶解の作用以外に、菌の細胞への定着性、及びリンパ球の細胞浸潤に関与している事が分かり、これより、毒素としての従来の概念が変わった。 3)菌の表層外にある莢膜が、宿主病原性の作用機序に関与していた。 4)菌由来ヒトMHCホモログが、宿主免疫系に対し、正または負の影響を与える宿主分子として見出された。これら4種類のMHCホモログの病原性の強度は、それぞれ異なっており、感染成立のメカニズムに影響している可能性が示唆された。 5)"NOAマウスによる皮膚定着マウスモデル(世界初)"を確立した。 6)病原性遺伝子群のゲノムアロタイピングの確立。
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Research Products
(5 results)