2008 Fiscal Year Annual Research Report
重症肺高血圧モデルラットを用いたオルニチン代謝についての研究
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20790720
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
今村 公俊 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 助教 (40422472)
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Keywords | 肺高血圧症 / 内膜増殖病変 |
Research Abstract |
内膜増殖病変を持つ肺高血圧モデルラット作成法の確立および評価 従来の低酸素やモノクロタリン投与による肺高血圧モデルラットでは右室肥大、肺動脈圧の上昇、肺動脈中膜肥厚が見られるものの、臨床の肺高血圧に見られ、また、肺循環の血行動態に大きく影響する内膜増殖病変が見られず、臨床に即した研究を困難にしてきた。本研究を開始するに際し、内膜増殖病変を有した「重症肺高血圧モデルラット」の作成法を確立した。動物は6週齢の雄性Sprague-Dawleyラットを用いた。重症肺高血圧モデルには施設到着1週間後にVGEFレセプターtypeII阻害剤SU-5416(20mg/kg)を皮下投与し、翌日から低圧性低酸素チャンバー(チャンバー内気圧=約410mmHg、吸気中の酸素分圧=約76mmHg)にて3週間飼育した。SU-5416の投与は1回のみ行った。かつては多くのラットが実験中に死に至っていたが、SU-5416の皮下投与法の改善、使用するラットの週齢を一定にすることでほぼ全てのラットが3週間生存し、実験に供することが可能となった。room airで飼育したコントロール群と比較したところ、右室/左室(+心室中隔)の重量比は0.685±0.044vs. 0.265±0.008、右室圧/左室圧の比は0.592±0.090vs. 0.282±0.016と著明な肺高血圧が見られた。さらに、内膜増殖病変はコントロール群、およびSU-5416非投与の低酸素飼育ラットでは全く見られなかったのに対し、SU-5416を投与した上で低酸素飼育をした重症肺高血圧ラットでは42%の直径10-30μmの末梢肺血管に内膜増殖病変がみられ、重症肺高血圧モデルラットの確実な作成法を確立することができた。本実験モデルの作成法、及びその評価のための実験方法を用いて論文にデータを提供した。各々の論文は11.に挙げた。
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Research Products
(3 results)