2010 Fiscal Year Annual Research Report
構造生物学的手法による自然免疫及びIL―18機能制御と新規免疫調節薬の開発
Project/Area Number |
20790723
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大西 秀典 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60381620)
|
Keywords | 自然免疫 / Toll-like receptor / MyD88 / タンパク立体構造 / 創薬 |
Research Abstract |
本研究の目的は、当研究室で溶液タンパク立体構造の決定を完了したMyD88と、MyD88と相互作用する受容体及びアダプター分子群の相互作用機構をNMR法、または結晶化蛋白のX線解析によって構造生物学的に明らかにすることで、Toll様受容体(TLR)シグナル及びIL-1/18シグナルの流れを調節するような薬剤候補物質をスクリーニングすることである。 本年度の成果を以下に列記する。(1)MyD88-TIRドメインの溶液構造解析の過程で得られる1H-15N HSQC2次元スペクトルの情報をリファインし、BMRBデータベース(No.11078)に登録し、その成果をJ BioMol NMR Assign誌に発表した。このデータを利用して、MyD88-TIRに直接相互作用する分子のスクリーニングが可能となった。 (2)MyD88-TIRと複合体を形成する分子として、TIRAP、TLR4、TLR2、IL-1/18受容体等が挙げられるが、複合体立体構造解析に向けて、それらのリコンビナントタンパクの精製、及び安定複合体の形成条件の検討を引続き進めている。(3)TIRAP-TIRドメインの結晶化スクリーニングを継続している。TIRAP-TIRは溶液中で自己多量体化する性質があるためか、現在のところ結晶化には至っていない。(4)有力な薬剤候補分子としてMyD88シグナル阻害作用を有するとされるMyD88-BB loopミミックペプチドとMyD88-TIRとの直接相互作用を検討するための国際共同研究が開始された。本研究には(1)のデータを活用して溶液NMR法で検討予定である。一方、このペプチドはTIRAPと直接相互作用する、あるいは、MyD88とTIRAPの直接相互作用を阻害する可能性があり、その検討にためには、TIRAP-TIRの1H-15N HSQC2次元スペクトルの改善が必要である。現在までに、TIRAPの自己会合抑制のため複数のアミノ酸置換変異導入体を構築している。(5)MyD88を介するシグナル抑制作用が期待できるMyD88ドミナントネガティブ変異分子に細胞内タンパク導入ドメイン(PTD)を付加したPTD-MyD88-DNの構築を行った。 本タンパクを用いて、in vitroの実験系でLPS/TLR4シグナルを抑制することができることを確認した。
|
-
[Journal Article] Genetic variations in MyD88 adaptor-like are associated with atopic dermatitis.2011
Author(s)
Yang An, Hidenori Ohnishi, Eiko Matsui, Michinori Funato, Zenichiro Kato, Takahide Teramoto, Hideo Kaneko, Takeshi Kimura, Kazuo Kubota, Kimiko Kasahara, Naomi Kondo.
-
Journal Title
Int J Mol Med
Volume: 27
Pages: 795-801
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-