2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイ解析を用いたライソゾーム病神経変性に対する新規分子標的療法の開発
Project/Area Number |
20790728
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
桧垣 克美 Tottori University, 生命機能研究支援センター, 准教授 (90294321)
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Keywords | 脳神経疾患 / 脂質 / シグナル伝達 / マイクロアレイ / 治療法開発 |
Research Abstract |
GM1-ガングリオシドーシスは遺伝性ライソゾーム病に含まれる脂質代謝異常症で、ライソゾーム加水分解酵素β-ガラクトシダーゼの遺伝的欠損により基質であるGM1-ガングリオシドが神経細胞内に蓄積し、神経障害を引き起こす。これまで、モデルマウスおよび患者細胞を用いた解析で、オートファジーの異常、または神経細胞膜機能異常が神経変性に関連することを明らかにして来たが、その他の基質蓄積から神経細胞障害に至る分子機構は明らかでない。また、この疾患の脳障害に対する新規治療法としてケミカルシャペロン療法の開発を行って来た。本研究課題では、β-ガラクトシダーゼ欠損モデルマウス脳において神経症状の発症に伴い、または我々が開発したケミカルシャペロン投与により発現が変動する遺伝子群を網羅的に探索する目的で、マイクロアレイ解析を行った。結果、神経発症前の3ヶ月齢および神経症状発症後の10ヶ月齢マウス脳において、シグナル伝達、細胞内輸送、細胞死、細胞増殖、細胞周期に関連する遺伝子群の発現が有意に変動していることを見いだした。また、ケミカルシャペロン投与により発現が正常化した48遺伝子を同定した。現在、リアルタイムPCRによる発現解析を行う一方、これらの遺伝子群の関連性について、遺伝子機能パスウェイ解析を行っている。今後は、培養細胞系とモデルマウスを用い、GM1-ガングリオシドーシスの脳障害に関連する疾患機能パスウェイを明らかにすることで、新たな分子療法の開発のための標的分子の探索を行う。
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Research Products
(6 results)