2009 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉系幹細胞のユーイング肉腫に対する抗腫瘍効果
Project/Area Number |
20790729
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮村 能子 Okayama University, 病院, 助教 (20379796)
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Keywords | 移植・再生医療 / 間葉系幹細胞 / 細胞・組織 / 癌 |
Research Abstract |
本研究では骨髄間葉系幹細胞(mesenchymal stem cell : MSC)の組織ターゲッティング能力、一部の腫瘍で報告のあるアポトーシス誘導効果に着目し、小児難治性悪性腫瘍であるMSC由来のユーイング肉腫に対する正常MSCのアポトーシスを介した腫瘍細胞障害効果と薬剤感受性について検討することを目的としている。すなわち、(1) 正常MSCのユーイング肉腫に対する抗腫瘍効果(2) MSCとの共存による抗腫瘍剤や分子標的薬等の抗腫瘍効果の増幅の有無についての検討を行いたいと考えた。予後不良である本疾患に対する新たな治療戦略の確立に役立つことを目指す。昨年度につづきin vitroでの研究が主となった。昨年同様AnnexinV陽性細胞をフローサイトメーター(FCM)で測定するApoptosis assayを用いた。さらにXTT assayも併用し、抗腫瘍効果の評価をした。MSC単独のみではあきらかな抗腫瘍効果はみとめられないがMSCを抗腫瘍剤と共培養することで抗腫瘍効果の増強をもたらす傾向がみられた。また、ビスフォスフォネートに関しての検討を行った。ビスフォスフォネートに関しては単独でも抗腫瘍効果がありさらにMSCとの共培養で抗腫瘍効果の増強がみとめられる傾向があった。今後は例数を増やして検討する。共培養によって抗腫瘍効果が増強した薬剤は共培養するMSC細胞数が多いほど効果が高い傾向あるがある時点で一定になった。今後さらに例数を増やして検討する予定である。また、本年度はこれまでの結果の統計学的検討を行う。またチロシンキナーゼインヒビター(イマチニブ)についても同様の検討を行いたいと考える。さらにこれらの結果をふまえてin vivoでの検討を行いたいと考えている。
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Research Products
(4 results)