2008 Fiscal Year Annual Research Report
小児うつ病の臨床的・分子生物学的検討と治療法の開発による自殺予防
Project/Area Number |
20790732
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
川谷 淳子 Kumamoto University, 医学部・付属病院, 医員 (30423669)
|
Keywords | 小児 / うつ病 / 遺伝子多型 / SSRI |
Research Abstract |
本研究では、うつ病の小児において、(1)遺伝的背景として特に5HTTLPRに注目し、ストレスに対する脆弱性、うつ病の発症との関連を検討すること。(2)5HTTLPRとSSRIの治療反応性の検討を行うことを通して、抗うつ薬治療の客観的予測指標を設定し、無駄な長期投与やそれに伴う小児の成長や発達、内分泌機能への影響も回避し、有効な抗うつ薬治療を目指すことが目的である。 平成20年度は、熊本大学発達小児科を受診し、小児うつ病と診断された患者のうち、インフォームドコンセントにより同意を得られた30名(12-22才、男児12名、女児18名)の未投薬患者から血液のサンプリングを行い、DNA採取を行った。同時に、神経心理学的検査 : (1)うつ状態評価に包括的質問紙Youth Self Repoft(YRS)、Child Behavior Checklist(CBCL)、SDSうつスコア、バールソンの抑うつ傾向自己記入式評価尺度(DSRSC)、(2)不安尺度の評価として、スペンス児童用不安尺度(SCAS)、(3)自閉傾向・および軽度発達障害のスクリーニングに自閉症スペクトラム指数(Autisum-Spectoram Quoient : AQJ)、(5)知能評価にWechsler Intelligence Scale for Children-III(WISC-III)による知能検査を施行し、評価終了後、fuluvoxamin、paroxetineのいずれかの薬剤を投与し、治療反応性(治療効果)の評価を行った。うち、内服の自己中止が2名、通院の中断・転科により追跡できなかったものが8名、経過中に他疾患(統合失調、」精神発達遅滞)と診断された3名、有害事象による内服中断が3名の合計16名が脱落例となった。
|