2008 Fiscal Year Annual Research Report
急性移植片対宿主病における分子マーカーの定量系の確立及びその機能解析
Project/Area Number |
20790735
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山本 雅樹 Sapporo Medical University, 医学部, 助教 (80404664)
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Keywords | GVHD / CCL8 / バイオマーカー |
Research Abstract |
1. 重症度の異なるGVHDマウスモデルの作製 : recipientをBALB/c、donorをC57BL/6とし8.25Gyの放射線照射後に骨髄細胞2x10^7個を移植しGVHDモデルとした。骨髄細胞に追加して0.1, 0.5, 1×10^7個のdonor脾臓細胞を追加移植することでGVHDの臨床症状の悪化、生存期間の短縮が見られた。またdonorとrecipientを逆にすると同様の骨髄細胞数を移植してもGVHD症状が軽症であった。 2. GVHDマウスモデル血漿を用いたCCL8の定量 : GVHDマウスモデルの血漿中CCL8をmouse CCL8特異的抗体を使用したELISA法にて行った。GVHDを発症しないsyngeneicモデルとの比較では移植後5日目ころよりGVHDマウスモデルでCCL8濃度は有意に上昇し、GVHDの病勢に一致して推移した。また脾臓細胞を追加移植した重症GVHDモデルでは移植後7、14日目のCCL8濃度が高値を示した。GVHDの重症度とCCL8濃度の相関がある可能性が示された。 3. 臨床検体におけるCCL8の定量性の確認 : 保存されている同種造血幹細胞移植後の血清サンプルを用いてELISA法によりCCL8の定量を行った。ヒトにおいてもマウスと同様GVHD群で血清中CCL8が高い傾向を認めた。個々の症例の検討では、種々の免疫抑制剤による治療でCCL8の低下が見られた。GVHD発症早期のCCL8がGVHDの重症度と相関を示す可能性が示された。今後多数の検体を用いて検討を行い、臨床診断への応用を目指している。 4. CCL8産生細胞の同定など : 組織免疫染色におけるCCL8産生細胞の同定に関しては、抗体の非特異的な染色を除外することが困難であるが、白血球混合培養の系でCCL8産生に関与している細胞の絞り込みが進行中である。
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