2008 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部における転写調節因子ALF4の成長ホルモン分泌調節に対する役割の検討
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20790742
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
小森 忠祐 Wakayama Medical University, 医学部, 助教 (90433359)
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Keywords | 視床下部 / 成長 / 転写因子 |
Research Abstract |
[1]ALF4遺伝子欠損マウス(ヘテロ欠損マウス)における血中成長ホルモン、IGF-1の検討 ALF4遺伝子欠損マウスは過成長を示すことよりこの原因を探索した。ALF4遺伝子欠損マウスのホモ欠損マウスはほとんどが胎生致死であることからヘテロ欠損マウスを用いた。過成長には様々な原因が考えられるが、成長ホルモンやIGF-1の増加が原因となることが多いため、血中の成長ホルモン、IGF-1濃度をELISA法を用いて測定した。その結果、血中の成長ホルモン、IGF-1濃度共に、ALF4ヘテロ欠損マウスで有意な増加が認められた。この結果より、ALF4遺伝子欠損マウスの過成長は、成長ホルモン、IGF-1依存的であることが示唆された。 [2]ALF4遺伝子欠損マウス(ヘテロ欠損マウス)の視床下部における既知の成長ホルモン分泌調節因子の発現パターンの検討 ALF4は視床下部弓状核に発現しているため、ALF4遺伝子欠損マウス(ヘテロ欠損マウス)の視床下部における成長ホルモン分泌調節因子(グレリン受容体、GH-RH、ソマトスタチンなど)の発現量と発現パターンについて免疫組織学的手法やウエスタンブロット法により検討した。その結果、ALF4ヘテロ欠損マウスの視床下部においてグレリン受容体の有意な増加が認められた。また、GH-RH、ソマトスタチンの蛋白質レベルでの発現量に変化はなかった。これらの実験結果より、ALF4ヘテロ欠損マウスにおける血中の成長ホルモン、IGF-1濃度の増加は、視床下部のグレリン受容体を介しておこる可能性が示唆された。
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