2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体内神経前駆細胞におけるp27Kip1の発現調節メカニズムに関する研究
Project/Area Number |
20790744
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三橋 隆行 Keio University, 医学部, 講師 (80338110)
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Keywords | 神経前駆細胞 / 大脳皮質発生 / 分化誘導 / 細胞周期 / p27Kip1 / マウス |
Research Abstract |
本研究では、神経前駆細胞の分化誘導に重要な細胞周期調節遺伝子であるサイクリン依存性キナーゼ抑制因子p27^<Kip1>の発現調節に重要な転写因子を同定し、さらにp27^<Kip1>の細胞内局在調節のメカニズムの解明を目指した。 神経前駆細胞においては、大脳皮質発生が進むに従いp27^<Kip1>が細胞核内において増加する。その際、転写因子FOXO1a・FOXO3aタンパク発現量が同様に発生時期が進むにつれて増加することが判明していた。さらにFOXO1a・FOXO3aの核内増加パターンは、神経前駆細胞内におけるp27^<Kip1>mRNAの発現パターンと極めて一致していた。すなわちFOXO1a・FOXO3aの核内存在量とP27^<Kip1>mRNA発現量は胎生10-14日にかけて増加し、胎生14日目にピーク値を示した後、胎生16日目にかけて減少していた。そこで大脳皮質発生各段階の神経前駆細胞の核抽出液を用意し、p27^<Kip1>遺伝子5'非翻訳領域プロモーター配列をプローブとしたgel shift assay実験を行った。昨年度は最適な反応条件を見出すことができなかったため本年度も引き続き条件検討を行った。 将来大脳皮質を形成する胎生10-16日目のマウス胎仔神経前駆細胞から細胞核成分を調整し、p27^<Kip1>5'非翻訳領域プロモーター配列のDNA断片をビオチンで標識したプローブを反応させたところ、未同定の転写因子と結合したプローブ由来シグナルが非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動で検出された。しかし、FOXO1a、FOXO3aに対する抗体を同サンプルに混合しgel shift assayを行った結果、上記シグナルのシフトを認めず、未同定の転写因子はFOXO1a・FOXO3aではないことが判明した。
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