2008 Fiscal Year Annual Research Report
小児PCOS診断におけるLC-MS/MS唾液中ステロイドホルモン一斉分析の有用性
Project/Area Number |
20790745
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
天野 直子 Keio University, 医学部, 助教 (70348689)
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Keywords | PCOS / 肥満 / 思春期 / ステロイド分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、症例として本邦多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断基準を満たす思春期女児、対照として(1)健常思春期女児および単純性肥満思春期女児の唾液検体を採取し、液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析(LC-MS/MS)を用いて、唾液中ステロイドホルモン(副腎皮質・卵巣由来アンドロゲン、エストロン、エストラジオール)の一斉分析を行い、思春期女児PCOS症例におけるステロイドホルモン分泌の内分泌学的特徴を把握することである。本年度は、当院小児科外来に通院中の患者のうち、(1)健常思春期女児6例、(2)単純性肥満思春期女児13例、PCOS思春期女児1例の全20例を対象に文書で説明と同意を得て、唾液検体を採取した。採取した唾液検体について前処理・内標準物質の添加・エーテル抽出・誘導化・精製の段階まで終了した。現在、液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析(LC-MS/MS)を用いて、副腎皮質・卵巣由来のステロイドホルモン(コルチゾール、コルチゾン、DHEA、テストステロン、アンドロステンジオン、エストロン、エストラジオール、ジヒドロテストステロン)を測定中である。LC-MS/MS法は、従来の免疫学的測定法より正確に多種類のステロイドホルモン濃度を一斉測定することが可能である。この点は、PCOS思春期女児のステロイドホルモン分泌の内分泌学的特徴を検討するために本分析法を用いた意義である。
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