2008 Fiscal Year Annual Research Report
小児炎症性腸疾患における免疫学的検討と免疫調節薬の効果
Project/Area Number |
20790747
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
藤井 徹 Juntendo University, 医学部, 助教 (30420855)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 免疫調節薬 / サイトカイン |
Research Abstract |
当科にてクローン病(CD)と診断もしくは治療をされた3-15歳の患児7名と潰瘍性大腸炎(UC)と診断もしくは治療をされた6-15歳の患児8名で、活動期と非活動期の血清中サイトカイン値を測定した。さらに活動期におけるCD5名とUC5名で内視鏡検査を施行し、腸管粘膜におけるシグナル伝達分子(Th1 : T-bet及びTh2 : GATA3)の発現をreal time PCR法で検討した。血便などを主訴に内視鏡検査を施行し、正常粘膜を認めた5症例の生検組織を対照とした。その結果、血清サイトカイン値では、CDにおいて非活動期に比べ活動期にIL-4およびIL-6が有意に増加していた(p<0.05)。また、UCにおいてはIL-4が非活動期と比較して有意に増加していた(p<0.05)。real time PCR法では、正常粘膜と比較すると、CDとUCのいずれにおいてもTbetとGATA3の発現が増強していた。UCではGATA3の発現がT-betに比べ有意に増強していた(p<0.05)。一方、CDにおいてはT-betとGATA3の発現に有意な差は認められなかった。また、そのうちCD4名とCD8名から使用している免疫調節薬6MPの血中濃度と白血球、肝機能、膵機能、TPMT遺伝子多型などの血液検査を行い安全性の確認を行い、TPMT遺伝子多型はなく、6MP濃度と白血球数、肝機能、膵機能と相関は認めなかった。今後はIL-17やTGF-betaなどの調節系T細胞の発現をRORgamma-tやFoxp3を指標に同様に検討して行く予定である。
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